日本企業の”やる気スイッチ”を押せ!
日本マーケティング協会(JMA)主催の第45回マーケティング・フォーラムで講演をさせていただきました。
今回のフォーラムは、私が編集委員を務めているJMAの機関紙「マーケティング・ホライズン」の2012年10号で企画した「南南西に進路を取れ!~アジア新時代」の関連企画として実現したもので、先日バングラデシュにもご一緒させていただいたMR.ミドリムシこと、ユーグレナの出雲充社長とともに講師として参加させていただきました。
$右脳と左脳の交差点~The crossover point of Logic and Sensitivity~
私がマーケティング・ホライズンでこの企画を立てたのは、一言で言えば
「日本企業の”やる気スイッチ”を押したい!」と考えた為です。
「内向き志向」且つ「安定志向でリスクを取りたがらない」という、一般的に論じられる今どきの学生に対して、企業が求める人材は、「グローバル化に対応できる人材」であったり、「リスクを恐れず果敢に挑戦する人材」であると言います。
今、私のもとにも、シューカツ中の学生はたくさんいますが、事実、実際の企業説明会でも、そのような話はされているようです。
でも、その話を聞くたびに、「ちょっと待て!」と思ってしまうのです。
「内向き志向」、「リスクを取らない、取れない」のは、企業も同じで、「リスクを恐れず、果敢に南アジアや東南アジアの開発途上国に向け、いざ南南西に進路を取れ!」と言いたくなる訳です。
バングラデシュに興味がある、という企業の方と打ち合わせをした際、実は、最初のミーティングで可能性の可否は概ね判断が出来るものです。ここでは敢えて、「可能性の高いケース」ではなく、「難しいな・・・」と思う企業の特徴を記したいと思います。
(1)目的が不明確なケース
・「何の為?」を突き詰めていくと、「念の為」になるケース
(2)石橋を叩いて渡らないケース
・行き過ぎたリスク回避型思考の末、「リスクがあるから出来ない」
となってしまうケース
(3)CSRの延長線上で開発途上国のビジネスを考えているケース
・BOPビジネスやCSR、ソーシャルビジネスとの違いにやたら拘るケース
こうした思考に対しては、以下の処方箋があります。
(1)発想の転換
・開発途上国と日本語で書くと、イメージがあまりよくないですが、
Developed Country(先進国),Developing Country(開発途上国)
と書くとイメージが全く逆になります。
要は、「成長マーケットでビジネスをしよう」という話なのです。
(2)覚悟を決める
・リスクは機会の裏返しである、ということです。
企業はリスク回避的な動きになりがちで、情報収集をすればするだけ、
ネガティブな情報が増えると言います。
バングラデシュで合弁会社を設立した小島衣料の小島正憲オーナーは、
この点において、大変興味深い話をされています。
「やるという前提に立って調査をすると、いい情報が集まるが、
やるかどうかを決めずに調査をすると、悪い情報が増え、
結果やらないことになる」
つまり、開発途上国におけるビジネスには、トップの決断、「覚悟」が
求められるということです。
(3)本気でビジネスをする
・開発途上国でビジネスが成功するば、雇用の創出や、現地の教育水準を
高めることにも寄与できる等、結果として社会貢献にもつながります。
余計なことを考えず、ビジネス本位で臨むべし、ということです。
開発途上国でのビジネスはBOP(Base Of the Pyramid)と便宜上呼ばれることが多いですが、私としては、この言葉は思考停止にもつながるので、実は好きな言葉ではありません。
正直、かなり長くはなりますが、
「自立的発展の為の開発途上国でのビジネス(Business in Developing Country for Self-Development)」と呼びたいところです。
いずれにしても、日本企業の”やる気スイッチ”を押し、バングラデシュでの成功事例を積み上げていきたいと思ってます。
今日の講演後、名刺交換に来てくださった方々の“やる気スイッチ”をさりげなく押させていただきました。ここからまた、面白いプロジェクトが生まれると思います。
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